生まれてきて良かったですか?幸せですか?と聞かれて「良かった!」と、即答できる方って、どれくらいいるのでしょうか?
ある方が幸せに対してこんなことを表現されていました。「生まれたこと自体でも幸せを自らの手でつかむチャンスをくれた」などと。では「幸せ」って人それぞれ感じ方も違うと思いますが、今回の男性は、新しい仕事場に変わるための手続きが一向に進む気配がなかったのですが、「自分で動く」ことを決めたことで周りが変わっていきました。人との会話が楽しくなり今では「生まれてきて良かった」とまで言われているほどに!何が彼の幸福感を感じさせたのでしょうか?ご覧ください。
下田 国博 さん 60代 男性【長崎県】
生きる意味とは?
2011年、私はミロスに出合いました。
それなりに、自分も周りも変わってきました。
丸10年たちますが、仲間との関わりも、日常的にはほとんど無い状態で働いていた時に、就労支援B型事業所「たまご」に誘われました。
誘い文句は「ただ、いてくれるだけで、いいよ」でした。
最初は、その意味がわかりませんでした。
私は、視力、視野に障害があり、障害者手帳を取得しています。
まだ、「自分で何でも出来る 」と 思っていましたので、週に2~3回のマッサージの仕事を続けていくことで、その仕事を退職するつもりはありませんでした。
しかし、どこかで、「いつか辞めるタイミングが来るのだろうな」とは感じていました。
すると、それは突然にやって来ました
しかも、解雇処分と言う形で!
ある意味、それで腹がくくれました。
「よし、たまごに行くぞ!」
10年前、ミロスに出合い、ある講座を受講したとき、「ミロスで生きます!」そう宣言したことを思い出しました。
自分で動くと決めると…
自分なりに順追って、手続きを済ませて、通所の準備を整えているつもりでした。
しかし、事は1ヶ月過ぎても一向に進みません
書類は自分では書けないので、妻に丸投げしなければいけませんでしたし、面談にも、妻に一緒に行って欲しいのに、絶対に「行く」とは言ってくれません。
私は、訳が分かりませんでした。
遠くまで通う事を「心配してくれているのかな?」とも思いました。
周りの人に、今回の通所の話をしても、みんな「NO!」
誰ひとり、賛成してくれる人は、いませんでした。
「意味が解らない」「どうして、遠方に行く必要があるの?地元にも同様な所がありますよ」などなど、周りの人からはイヤな顔もされたけど、おかげで「自分で動く」と決められました。
その途端、スムーズに事が運び始めたのでした!
目標・やりたい事とは?
「たまご」との契約時、目標 やりたい事を書きました。
「毎日通勤」
しかし、なぜか毎日通勤出来ません。
「面白くない」「退屈」「何をしたいのか解らない」「空気が悪い」「のろい」等々。
出勤時間が近づくと、頭痛 腹痛など出勤しなくていい様な現象が起こります。
「今日は休みます」と連絡した後、スーっと一瞬痛みが消えます。
しかし、今日は腹痛で、明日は雨降りでと「休みます」と連絡するのもかなりのエネルギーが要ります。
なぜなら、受話器を取るのは「ミロスの方」だからです。
本当に、面倒くさいんですよ!
電話ヒアリングをしたいのか、
「どうしたんですか?」「何かあったのですか?」と、必ず聞いてくるのです。
抵抗感が自分のジャマをする
ある日、いつものようにお休みの電話をしました。
「お腹が痛いので、休みます」と。
何度かやり取りがあり、「どうして、そのまま受け取ってくれないのですか!」と言う私がいました。
その後自分の口から出た言葉に、自分でもビックリしたのです。
「そんなに聞かれたら、本当のことを言わなきゃいけなくなるじゃないですか!」と。
それは私のただの《抵抗感》だったのです。
出勤しなくていい現象を作り出しているのは、「私」
知らない内にプレッシャーを掛けていたのは、「私」
誘われたのだから、「特別扱い」は、当たり前。
全ては、ミラーワールド!
「そうやった!全部自分やった!」
すると、自然と笑ってしまいました。
気がつけば、決めた通りに、毎日通勤していました。
毎日通勤することで世界が変わる!
毎日通勤するように成ってから、見る世界が一変しました!
《楽しい!楽しい!楽しい》
何をしても、楽しい!何かをしてもらっても、嬉しい!
職場の人達は、みんな笑顔がすてきです。
みんなと、会話が弾む!
見えない私の食事のメニューを仲間が日替わりで説明してくれます。
職場への通勤時、楽しんでいたら、たくさんの人から声をかけて頂けます。
毎日、行きも帰りもです。
帰り道は、中学生の男の子が、時間を合わせて、自宅までイロイロと話をしながら、寄り添ってくれます。
この前は、その子のお母さんも一緒でした。
その後は、一人が三人になっていました。
心の視野が広い:生まれてきて良かった!
今私は、同じ視覚障害を持ち、外に出ることに疲れてしまった利用者さんと毎日30分ずつ、お互いの声を聴き合っています。
「ヒアリングをしたかった」のは、私でした。
自分の体験と一致するだけで、重く暗い世界から、フルカラーの世界へ!
例え視野が狭くとも、私の心の視野は広くある!
私のミロスで生きる新しいステージの始まりです。
関わってくれたすべての方々へ
いつも有り難うございます。
生まれてきて良かったです。
これからもよろしくお願いします。