仕事を長く続けるためには、長続きしない原因がどこにあるかを探ることが大切です。人によっては、コミュニケーションを取るのが苦手だと感じていたり。メンタルが弱くて我慢するのが苦手だという方もいると思います、原因は様々。今回の男性の弟さんは、資格さえあれば働ける！と考えて、資格をとっては就職するのですが、中々仕事が続けられない方。上手く就職しても、「不満や悩み」は尽きなくて、そのたびに連絡が来ることが嫌でしかたなかった。ですが弟の姿こそ自分の思いそのものを見せてくれていたことを一度、受け入れて見よう！と思ってから、弟に変化が起こりました。
Tさん 40代 男性【滋賀県】
母の気持ちにふれる
先日、母から
「まさか、次男（私の弟）に対して、こんな気持ちになるなんて」
との言葉を聞きました。
母は感動して涙したそうです。
その内容は、我が家にはあり得なかったことでした。
この約15年、弟の願いは「実家に帰りたい」でしたが、母は「拒絶。弟とは一緒に住めない」が続いていました。
私の弟は精神的に極めて不安定になっていた時期があります。そんな時に父と母は離婚してしまいましたので、母は弟と2人暮らしをせざるを得ない状況になりました。
そうすると弟はどんどん不安定になってしまいました。急に荒々しくなったり、外に飛び出して行ったり、、母は休まることのない緊張状態で、やがて心身共に限界が来ました。
母は福祉の担当者に相談。その助言に従って弟を精神病院に入院させました。母はやっと眠ることが出来たそうです。
仕事が長続きしない！
その約2年後、弟は精神病院を退院。母との同居を強く望みました。しかし母は受け入れることが怖くて出来ません。
福祉担当者のアドバイスに従い、「弟は生活保護を受給しての一人暮らし」となったんです。
一人暮らしの弟は、“正社員になり生活保護を脱却すること”を目標に生き続けていました。
しかし、仕事は決まっても、勤務が続いたことは一度もありませんでした。
勤め始めて3日もすると、職場に不満が出てきて、大抵2週間もしないうちに辞める。
このパターンが何回も繰り返されました。
やがて弟は国家資格を取ることで、なんとかしようとしました。まず学校に通い、介護福祉士の資格を取りました。仕事は直ぐに決まりましたが、続きませんでした。
次は社会福祉士の資格を取りました。今度も直ぐに仕事が決まりましたが、どうしても仕事が続きませんでした。
悩みが尽きない！
弟の「家に帰りたい」という訴えは、彼が挫折した時に起こりました。
「一人は無理だ。家に帰りたい。母を説得してくれないか」
と弟から連絡してきますが、母は、どうしてもそれは無理だと言います。
でもその一方で、弟を受け入れる事が出来ない罪悪感で、母は常に苦しんでいました。
このやりとりも、数えきれないほど起こりました。
さらに弟は、「話を聞いてくれ」と、たびたび私に電話をしてきました。
その半分は「資格に合格した」「内定が出た」など成果が出た喜び。しかし私は、彼のプラス思考の喜びの裏に不安定さを感じていました。
もう半分は、友人、母、親戚などへの文句。または仕事の悩みなどでした。
しかし、私にとっては「弟よ、お前の方が間違っている」と言いたくなるものばかりでした。
このパターンが10年以上…何一つ変わらずに繰り返されていました。
誰も味方になってくれない
ミロスに出会って、
講師は根気強く、貴方が見ている「弟の姿が貴方自身だよ」と何度も何度も教えてくださいました。
「貴方は救われていない。いまだ救われていない貴方を弟が見せてくれている。」
ある日の夜、弟から無茶苦茶な要望がありました。私はいつも通り、即拒否しました。
弟は「母にも断られた。この世で誰1人、俺の味方になってくれない。なんのために生きているのか分からない」と嘆きました。
その言葉を言われて初めて「アッ、本当だ、一度も救われていない！」と分かりました。
とても勇気が要りましたが、なんとか弟に「分かった。お前に協力する」と返事が出来ました。
私が弟に協力すると返事したことを母に報告したら「それは凄い！私には出来なかった」と母が驚いていました。
講師に報告すると、本当に喜んでくださったことは忘れられません（涙）
生活保護脱却！！
その後も弟とは、どれだけ多くのやりとりがあったのか…その度にパートナーと話をし続けました。とにかくコツコツ実践に取り組んでいました。
昨年の秋ごろ、ついに彼が理想の職場に就職が決まりました。そして勤め始めてから、起こる”葛藤や悩み”の電話をほぼ毎日もらいました。残念ながら、その職場は2週間も続きませんでした。
しかし、その次の職場です。ついに2週間続きました。電話で、今までと明らかに違う手答えがあることが伝わって来ました。
それが1ヶ月続き、彼は生活保護を脱却しました。3ヶ月続き、ついに正式に採用となりました。今ではもう半年以上続いています。
「仕事に行く前の“サザエさん症候群（仕事に行くのが嫌）”が無いねん」と言ってました。彼の話す言葉は全く変わってきていて、あの不安定な喜びは口から消えています。
精神障害者が生活保護を脱却する。
これは本当に稀なケースだそうです。
明日仕事か…と気が重くなる事がない。
彼は危なげに仕事を続けているのではない。
凄い変化です。
母が倒れたことで、弟への変化が起こった
NEXT JAPAN EXPO 2023年のイベントの約10日後、一人暮らししている母の体調に異変が起こりました。
その時、福岡から妹が実家に帰省していたのが幸いでした。直ぐに救急車を呼び…母は脳梗塞でした。
幸いにも早期対応のおかげで「軽めの脳梗塞」となり、母の後遺症は軽くすみました。一時は落ち込んだ母も現在はリハビリに励んでいます。
いま私達夫婦と弟と妹とで母のフォローをしています。
弟は介護福祉士、社会福祉士の資格を持っていますが、その知識が生きる介護保険の分野だけでなく、彼は母の身の回りのことなど誠実に気を回しているのがわかりました。母の気持ちに寄り添いフォローしているように見えました。
そんな時、私達との電話中に「聴いてほしいことがある」と母が言いました。
〇〇（弟の名前）への見方が変わった。こんな日が来るとは！
今まで〇〇をずっとずっと拒絶していた。ずっと避けていた。
だけど、今回、こんなに私のことを考えてくれて、本当によく動いてくれて、話すこともかなりしっかりしてるし…
こんな気持ちを味わえるなんて！
拒絶していた過去とは、全く違う気持ちになってしまった…と。
弟の新たな出発に母の涙があった！
感動で、母は涙したそうです。
身体はこんなことが起こってしまった。
けれど、生きていてこんな日が来るなんて！
と母が言ってました。
いままでのパターンだと、これだけは絶対に無い！としか思えなかったことばかりが起こっています。
病気と同時に治癒も存在していることも講師にお聞きして、喜びで驚きました。
いま病気に感謝出来ている！
この体験が、出来たことに感謝です。
目の前から自分を教えてもらうだけのことが、考えられないことになるんだとミロスの仕組みの凄さに言葉もありません。
今もパートナーと一緒に、毎月欠かさずにカリキュラムを受け続けていますが、どんどんシンプルに、どんどん深くなる…目の前から自分を知る仕組みに感動します。
