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病気になった父から感じた男性の強さ。そして、妻を亡くされた身近な男性から感じた亡き妻への深い愛。目の前に映るのは自分の内側の男性性・女性性と知っているTさんは、父やその男性を通して、自分の中にある強くて深い男性性の愛を知ったのです。


Tさん 40代 女性【東京都】 

父の病気を通して…

父が体調を崩し、検査した結果、癌であることがわかりました。

かなり危ない状態で、「とうとう来るべきときが来たか・・・」
と家族に激震が走ったこの夏。

手術も抗がん剤治療も、年老いた父が耐えられるのか?体力を奪われるだけにならないか?と心配したのですが、ありがたいことにそこまでのダメージはなく、現在も抗がん剤治療を続けながら、日々少しずつ回復しています。 

父の病気を通して、私はたくさんのものを受け取ったように思います。
今回、父が病気で弱ってしまったことで、私の中の「父=男性性」を見直すきっかけをいただきました。

私はこれまで、父のことをあまり気にかけたことがありませんでした。
以前は父を嫌っていたのですが、今はその嫌悪感もほぼなくなり、少し距離が近くなったと安心していました。しかしそれ以上近づこうとか、父をもっと理解しようとかはしていませんでした。

3年ほど前、父は胆石で数日入院したことがあるのですが、それもほとんど私の記憶に残っておらず、母に言われるまで思い出さなかったくらいでした。
どれほど自分の中の男性性を無視して、蔑ろにしてきたことか。

黙ってずっと支えてくれていた父だけど、疲れちゃったのかな?
「ずっと頑張ってきたけどもう無理だよ」
「そろそろ俺のことも気にかけてよ」
と言ってるのかな?と思いました。

父を通して知った男性性の強さ

入院中の父を一人で見舞うことも、最初は少し勇気が要りましたが、あえて母と一緒でなくて、一人で見舞ったことで、父と直接向き合い、父の言葉を一つ一つ自分の声として聞くことができました。

そして、これまで父がどれほど深く強く家族を支えてくれていたのかを改めて感じることができました。

父の入院中に、ひょっとして母はぼけたんじゃないか?と思うくらい、一時は元気をなくしてしまっていた母でしたが、その様子を見るにつけ、父と母がどれほどの深い絆で結ばれ、お互いを必要としていたのか、ということも目の当たりにしました。

また、兄弟の間でも普段とは違うコミュニケーションが 自ずと発生して、父を中心に、再度家族が結束するようなことになりました。

「あれ?私、父の病気を通して“愛”しか見ていないかもしれない。」
「これが私の中の男性性?これがミロス?」
など、カウンセリングでこの体験を話していたら、

「『もうだめかもしれない』という所から復活してくる父の強さ。かなわないなと思うよね。本当に不死身なくらい強いんですね」と、
講師に言っていただきました。

そうか!私はこれが信じられなかったのだなあと思いました。
手術なんてしたら、抗がん剤治療なんてしたら、体力が消耗して立ち直れなくなるんじゃないかと心配し、父の強さを信じていなかったのは私なんだなあと思いました。

お世話になったご夫婦が…

また先月、以前大変お世話になった方に会いに行ってきました。

そのご夫妻はとても仲が良くて、特に旦那様のほうが大変な愛妻家で、いつも人目もはばからず奥様の自慢をなさっては、奥様に「イヤねえ、もう」と苦笑されていました。しっかり者の奥様に、愛嬌のある旦那様、いつも二人一緒で、傍から見ているこちらもほのぼのと幸せになるようなカップルでした。

ところが、奥様が病気で亡くなられたという知らせがあり、仲間内ではとても驚き、
「あの旦那さん、これからどうやって生きていくんだろう?大丈夫かな?」
と噂をしていました。 

そのときは遠くてお葬式に行けなかったので、友達と一緒にお墓参りとお見舞いを兼ねて訪ねてみることにしたのです。

愛し合っているご夫婦の姿は…

私たちが訪問すると、旦那様はとても喜んではくれたのですが、予想した通り、いや、予想以上に奥様の死から立ち直れておらず、口を開けば、奥様にあんなこともしてあげるべきだったのに、あのときのあの決断は間違いだったのにと、「後悔と自責」の言葉ばかりが出てきました。しかし、それとともに、本当に素晴らしい女性だったこと、彼女が自分に安らぎと支えを与えてくれて、自分は何の心配もなく仕事に打ち込めたんだとか、奥様を愛する気持ちもたくさん聞かされました。

「早すぎる奥様の死。どれほど辛いことか。でも、悲しみは悲しみとしてゆっくりと癒えるのを待つしかないけど、こんなふうに自分を責めつづけるのはもうやめないと、今度は旦那様のほうが健康を害してしまうかもしれない。奥様の立場になってみたら、女性として、一人の男性にここまで誠実に愛されるなんて、どれほど得難いことか。どれだけ幸せな人生だったことか。してあげられなかったことばかりを数えるのではなく、してあげられたことがどれだけたくさんあるのか、それをもっと見て評価して、慰めとしてほしい・・・。」 

差し出がましいとは思いましたが、私はどうしてもこれだけは伝えたいと思い、帰ってからメールをしました。そして、そのメールを書いたことで、これは私の中の女性性の声だと気づいたのです。このご夫婦の姿はそっくりそのまま私の中の男性性と女性性。私の男性性はここまで深く女性性を愛してくれている。

そして、これは以前から気づいていたことでしたが、私にとって愛することとは、いつか必ず来る“別れへの恐怖”と常に表裏一体でした。

それは私にとって、幼少期の体験から超えられない壁だったのです。

愛する強さが私にもある!

だけれども、今回その男性が見せてくれたのは、そんな恐怖をものともせず、心のままに一途に女性を愛し、その結果、来てしまった喪失の悲しみも正面から雄々しく受け止めている姿でした。

一体これほどの強さ、勇気がどこから湧いてくるのだろう。この強さが私の中にもあるのか!
と、それに気づいたときに号泣しました。

このことを講師に話すと「最高の愛の形ですね」と言っていただきました。私の中にある男性性の強さを知ってとても嬉しく思いました。

こうやってミロスシステムで自分を紐解き、知っていくことができることに心から感謝です。ありがとうございます。

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