親の心の古傷が、子どもの人生にまで影響を与えてしまうとしたら…。
人生に絶望しパニック障害で倒れた息子を通して、自分の人生を振り返りった父親が、まさかの原因を発見します。子どもがSOSを発していたとしたら、それはあなた自身の問題かもしれません。
Kさん 60代 男性【愛知県】
病気の原因？？
2月に息子が職場で倒れ仕事が出来なくなり、医師からは、パニック障害と診断され長期療養が必要なため実家に帰ってきました。実家に戻ってきた息子は、鬱のように元気が無いかと思えば、普通に振る舞うので少し安心していたのですが、息子の嫁が言うには「側にいないと何をするか分からないので怖い」と言ってました。
私は離婚していて、仕事がある時は、息子を面倒見ることができません。
このような状況だったので、息子の嫁の実家に世話になることになり5月まで休職することにしました。ミロスを学んでいる私は、息子の病気の原因は私にあると思ったので、カウンセリングを受けることにしました。
そのカウンセリングで、息子が倒れるときに叫んだ
『俺は必要とされてないんだ！！』という言葉について、講師と共に私の過去をながら原因を探っていきました。
家庭崩壊のスタート…
今から50年以上前のことですが…
私が10才のときに母を病気で亡くしました。
幼い子供を2人抱えた、まだ30代だった父のことを周りは心配したのでしょう、父は再婚を勧められました。
父が、『この人はどう？』と、初めに会った人は子供心にも優しい人だなぁ、この人は好きと思いました。
次に会った人は何か好きという感じは無かったです。
どの人と結婚するんだろうと思っていたら、2度目の人でガッカリしたのを覚えています。
そして父は、再婚し、継母、私、弟の4人での生活が始まりました。
父は大きな会社で働いていたので、特別裕福ではありませんでしたが、貧乏でもありませんでした。
しかし、父の再婚後から生活は一変してしまいました。
継母は、私と弟に一部屋与えると、ここからこちらには来ていけないと居間への出入り口にタンスを置き、食事は部屋で食べなさいと机の上に置いていくんです。
テレビのある居間にも台所にも行けない。
自分で洗濯しようにも洗濯機も使わせてくれない。
トイレを使うだけで文句を言ってくる。
家庭崩壊のスタートでした。
中学の時、私は学校に弁当を持っていくのですが、中身はご飯と漬物だけ。
夕食は、お皿の上にご飯とスーパーで買った天ぷらのみ。
まるで犬のエサのよう。
本当に貧乏なら我慢もできますが、普通に収入があるのに子供には一切使わない。
一体、継母は何のために父と結婚し、この家に来たんだろうと思いました。
継母とは、一度も一緒に食卓を囲むことも無く、テレビを見ることも無い。
そして、私は家のカギを渡されないので、学校から帰っても家に入れませんでした。
そして、日曜日になると、家から出て行くように言われ、行く当ても無いのですが、仕方なく家から出て行きました。
もう私も精神的に限界がきて、
好きだった父に、継母と離婚して私と弟の3人で生活しようと何度も頼みますが、
その度に『我慢してくれ』の一言。
その時は、父に捨てられたような気持ちになりました。
自分の事は自分で…
私と弟は、新聞配達をして、自分たちで稼いだお金で食事、文具、服などを、購入していきました。
高校を卒業するまでこのような生活をしていたので、ほとんど家に帰らず外泊ばかりの生活でした。
父は諦めたのか、私たちに何も言いませんでした。
子供のことを思いやって、父は再婚したと思うのですが、私にとっての父は保護者という存在になっていました。
この状況の中で『自分はここの子ではない』『自分は邪魔者』『自分は必要とされてない』という強烈な疎外感を持って過ごしました。やがて、私の無意識の疎外感が、息子の病気を生み出していったんだと思います。
あの息子の『俺は必要とされてないんだ！！』という叫びは、自分の抑圧した無意識だったと気づいたんです。
すると、息子の叫びを自分の無意識だと理解して、受け取った直後、息子からメールがありました。
『リハビリを兼ねて職場に行ってる！』
気づいた瞬間、メールがくるなんて驚きでした。
7月に来たメールには『治った治った、ちょっと疲れただけ、かすり傷！』と、すっかり良くなっていました。
自分で自分を必要とされてないと思い込んでいた人生は息子が終わらせてくれました。
私という存在は、もともと、愛されているし、必要とされている。
過去に起きたことは、今ミロスを伝えるための体験としてプレゼントされたんだと思います。
私は、愛の欠乏症の人生から救われました。
ありがとうございました。
