大事な人を亡くしてみて初めてわかる“悲しみ”。でも、その悲しみを感じきった先に見えてくるのが本当の感謝なのかもしれません。父を亡くしたことで家族の絆を強く感じた彼女は、家族一人ひとりを通して日常にこんなにも豊かさがあったことに気づいていきます。あなたにも幸せのお裾分けをどうぞ!
Tさん 50代 女性【京都府】
父の大きな愛…
先月、急性心筋梗塞で緊急入院した父が、入院後あり得ないほど元気な姿を見せていましたが、数日後、突然、天界へ還りました。亡くなる日のお昼まで自分でご飯を食べていたそうですが、病院からの連絡で駆けつけた時には、もう心臓は止まっていました。
でも、苦しむこともなく笑みを浮かべた父の顔を見て、こんな亡くなり方ができたら最高に幸せだなと感じました。
そしてそこから、肉体を離れた父が全力でサポートしてくれたかのように、
私は今まで最も見たくなかった自分の内側を、両親を通して総まとめに見る体験が起こりました。
父が亡くなった後の母の悲しみは深く、失ってみて初めてわかる父の有難さを涙ながらに話す様子は、もしかしたら父の後を追っていくのではないかと心配になるほどでした。そんな母が気掛かりで、私は連日のように実家に通いましたが、父を亡くしておかしくなってしまったのか?と思うほど、酷い状態の母を見ることになったのです。
父が、どれだけ自分を犠牲にしていたか。
子どもの為に生きて、どれだけ愛情を注いできた人生だったのか、等々。
それなのに…と、私たちに不平不満を言い、母の怒りは収まりません。
さらには「もっと私を大切にして!」と見返りを求める言葉の数々。
何をしても受け取らず、不満気な顔で、少しでも言い返すと泣き出し、攻撃してくる。
感謝のかけらもない横柄な態度を見続けました。
私はついに限界がきて、母と大喧嘩になったこともありました。
ここまで酷いと、感じたくもないし見たくもない!
「いっそ父の後を追って死んだらいいのに」とまで思ったくらいでした。
そんな風に思う自分も嫌で、何もする気がなくなっていきました。
どうすることもできなくなり、もう私には無理。完全にストップしてしまったのです。
落ち込み続ける中、私は今までの人生を根底からひっくり返すほどのマイナスを初めて見ることができたと感じました。
母から感じるもの…
父の死と同時に、母を通して見たものは、先祖代々の女性の
「悲しみ・苦しみ・犠牲・孤独感・頑張り」でした。
超プラスに傾いた生き方を押し出していたマイナスが、私の内面に“在る”ことがわかり、そのマイナスがどんな人生をつくり出していたのか、全体性が解ったら、プラスへの傾きはなくなりました。
傾いたままの思考でいくら考えても、どうにもならないことがようやくわかりました。
そして、いつも講師が話して下さる「全体性」を理解して実践していく大切さを感じることができると・・・
母が私に対して
「いろいろ動いてくれてありがとう!」と直ぐに感謝を伝えてくれるようになりました。
また、父を通して自分の内側の男性性が“大きな愛”そのものであることを感じれてから、
主人の言葉や優しさが更に身に染みています。
母が父に対して「感謝しかなくなった」のと同じように、
私も父や主人に対して「感謝しかない」と感じています。
そんな思いを感じていると、今度は主人と娘の間でも滅多にないLINEのやり取りがありました。
主人が娘に“心配している”と伝えたようで、“父に見放されている”と思っていた娘は、気にしてもらえて嬉しかったと泣いていました。 息子も何度か祖母(私の母)のところへ行ってくれたりもしています。
そして肉体のない父とも、いつも一緒であり続けていることを感じています。
家族の絆が一層深まり、大きな愛に包まれて安心感が増しました。
日常に“最高の幸せ”を感じていることが、本当に豊かでなりません。