介護施設のデイケアで勤務する女性と、対象者さんに起きたアンビリーバブルな体験です。半身空間無視という症状の彼を通して、自分の無意識を認めたら・・・あり得ないことが!
目の前は自分を映し見せてくれる「鏡」という認識で、見ている世界が変わっていくミロスの面白さを感じさせてくれます。
岡本 三矢さん 40代 女性【静岡県】
久しぶりに仕事についてみたら…
突然、いろんなことが整い、ゴールデンウィーク明けから約7年ぶりに勤め始め、
デイケアのリハビリを担当しています。(もともと作業療法士をしています)
今回は、対象者さんに素晴らしい奇跡が起こりましたので報告させてください!
左半分に意識が入りにくい男性のお話です。症状としては、半側空間無視と言います。
その方は病気の影響から、本当は存在してるのに、日常的に
『自分の左側が無いもの』と認識してしまっているため、
『右半分の中が自分の全て』になっています。
だから、見えてないから、食事の時、お膳の左の隅っこの物は食べ残しが多いです。
注意深くしている時は食べられますけどね。
座っていても右のお尻にしか体重が乗せられません。
だから、いつも姿勢が右側に傾いてしまいます。
あとは話してても、その方が話題の理解に苦しむと、ギャグを言ったり、はぐらかしたりしては誤魔化してばかりいる方です。
対象者さんの訓練する中で気付いたこと
私はリハビリとして、様々な動作が取りやすくなるよう、バランスが取りやすくなるように
左側へも重心が移動できるよう、色んな物を使ったり、一緒に動作を誘導したり、体操をしながら訓練をしています。
でも、この方は、(本当は見えるのに意識できないから)
見えない方向への動きはとても怖がります。
私が対面に座り、両手をそれぞれ肘と肘をつかみ合うようにして組んだ姿勢で左側へ回旋運動をして重心移動のトレーニングをしていました。
一人では左側へのダイナミックな動作はとてもできませんでした。
それが・・・
ある日、その方を見ていて、ハッ!と気づいたのです。
『左側が無いもの』
『右側半分が自分の全て』
『見えない方向へ行くのが怖い』
『意識できない』
『誤魔化してばかり』
・・・。
『うわぁ、全部これまでの私じゃんか!』
動こうとしない自分自身を感じる
毎回、訓練のたびに、
『この方は私の何を見せてくれてるのだろう? この怖さは何だろう?』
と思っていましたが、なかなかわかりませんでした。
それが、先日まで、所属先から出ることをためらっていた自分なんだ!と、完全に一致したのです!
「自分の本心を見えないものとして誤魔化してばかりいたこと」
「所属先の安心から外れることへの怖さ」
「外れてからの世界はマイナスしかないんじゃないかという間違った思い込み」
「周りからどんな風に思われるかもわからないから本当の自分を見ないフリ」
「本当はこの方、両手両足、ちゃんとあるのに、意識したら全部が見えて動かせるのに、
動こうとしてなかったのは私だったんだー!!」
うわー!わかっちゃった!
これで明日はどうなるかなと、楽しみに出勤!!
楽しくリハビリしている!!
そしたら、そのおじいちゃん
1人で座位での体重移動のトレーニングやっている!
しかも微妙だけどもそれまでの比じゃないほどにダイナミックに動作がとれてる!
『えー!!!なんだこれ!?わたし、指一本触れてないのに!!』
1人じゃ出来なかった動作を、あんなに怖がって私にしがみついてやってたトレーニングを楽しそうにやってる!
その後、ほんの少しの声かけで、さらに完全に左側へ体重を乗せられるようになってくれました。
「顔を、顎を、ちゃんと体重をのせたい方向へ大きく向けて、目を開けて何が見えてるか認識してね!」
この声かけだけでした。
『自分が本当に見たい方向をきちんと見て、感じて認識する!』
これなんだー!
リハビリの後もこの方、自主トレにも励まれて、とても明るい清々しい表情で過ごされてました。
そんな姿も私なんだーと、受け取れることがありがたくてウルウルしちゃった。。。
『目の前は自分』の認識で、これからも対象者さんと楽しくリハビリをやっていきたい!
ミロスを知った自分が医療現場に入って、まさか、こんな風に自分と相手を一致できるなんて思ってもいなかったし、対象者の方が本当に喜んでくださって、ありがとうと感謝してくださる。
私は大井講師のセミナーで
『◯◯という一瞬が永遠に続く』というフレーズの◯◯に
『I’m so happy!』
と入れました。
このおじいちゃんも、自力で重心移動ができたときに
『アイム ハッピー!』
と、とても嬉しそうにニコニコされました。
目の前は私が創った宇宙なんだ!
これからも『I’m so happy!』の世界を創り続けたいです。