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「子どものために」という言葉は、誰も傷つけないように聞こえますよね。でも「自分のために生きています!」とか「子どもより自分のことが大事だ!」と言う親は、あまり見かけません。それを口にすることは許されない雰囲気も感じます。ですが自分が幸せになると、まわりを幸せにする余裕が生まれて、そのときに初めて、子どもがやりたいことを応援してあげられるようになるのではないでしょうか。今回の女性も良かれと思って取った行動こそが気づきを与えてくれるものでした。さて何をしたのでしょうか?

樹下みちよさん 50代 女性【京都府】

息子のためを思って

私には音楽活動のリスタートの為、最近、北海道に移り住んだ25歳の息子がいます。

先日 その息子から格安航空チケット代13000円助けて欲しい。早期予約にバイト代が間に合わない、とラインが入ってきました。

久しぶりのラインが活動するにも13000円が出せない!
親に頼むしかない息子の生活を思うと一瞬、心が曇りそうになりました。
それでも、やっと息子がやりたいライブ活動が本格始動出来る様になった事の方が何十倍、何百倍もの嬉しさでした。

息子には自分で直接、夫に連絡してお願いしてみるよう、伝えました。
けれど、すでに私の心は走り出していました。

夫も助けるというに違いないと勝手に思って…

そして、息子を一刻も早く安心させてやりたいという思いも相まって、
息子と夫のやり取りを待たずに、私は夜中のうちに息子の口座に振込を完了しました。

また勝手にやってしまった

ところが翌日 夫から息子の申し入れは断ったと聞かされ、一瞬 凍りつきました。

うっそ〜 、もう送っちゃったよ〜⤵︎ と
心の中でだけ報告して、

夫には 『そうなんや〜、思うところあって、そう決めたのならそれでいいと思うよ』と伝えました。

そして、やってしまった〜と思いました。

自分の考え方、やり方を通しても上手くいかない。

パートナーという極性の声を聞く事でしか無理なんだとわかったつもりになっていたからでした。

そして、この私は一人でなんでも勝手にやってしまうのだと。

夫に何でも一人勝手してー!と思い、寂しさから腹を立て、一緒に何でも相談してやりたいと望んでいたはずの私。

けれど、これはもう片側のパートナーも同じ思いだったに違いなかったと知らされました。

正しさを振りかざす!?

ところが、今回もいつもの様に私が勝手にやってしまったところから始まったのですが、
今までにはなかった事が起こったのです。

それは今までの私の凝り固まった思い込みを消してくれる出来事となりました。

それは、夫の意見に対して【わかった!】と、私が言えるように変わっていたこと。

これまでの私達は意見が二つに分かれると必ずと言っていいほど、私は夫の言葉に納得など出来なかったのです。

自分の正しさがものすご〜く強かったのです。

なので、【なんでなん⁉︎】と話し合いのフリをして、自分の正当性を通す為に夫に詰め寄っていたのです。

間違っているからこそ正しさを振りかざしていたとも知らずに…

そして、最後には『お前の勝手にしたらいいやん』と捨て台詞を吐いて逃げられる。

結婚してからずっとこんな会話しかしてこれなかったのです。

この何十年という攻防戦の中で、分かり合おうにも、話し合うことさえ出来ない。

そして、重要だと思う事ほど互いの意見が真っ向から合わないできました。

私の正しさから観た夫は冷たく、無関心な人に映っていました。

意見があわなくても当たり前!

それが今回はいつもの様に【なぜ⁉︎】と問い詰める気持ちも出なくなった私に
夫の方から何故断ったのか、その理由を自ら伝えてくれたのです。

今までは聞いても貝の様に口を開かなかった人が…

理由は夫の父と兄との関係に、以前お金のことで何かあったのだと思いますが、その可能性がある事を危惧してのものでした。

義兄の義父への依存、そのことで義父も義兄も苦しんできた姿を見てきた、それは夫の痛み苦しさでした。

兄と同じ経験をさせまいと息子を守ろうとする夫なりの大きな愛を感じた瞬間でした。

そして、初めて父と母。つまり男と女では観ているところが違う。

愛の形が違うのだと思えました。

意見が合わなくて当然なのだと。

そして、夫も私も息子への思いは全く同じだったのだと知りました。

夫の思いを知ることに…

今までの私のこうでなければ息子を守れないと頑なだったものが、本当は邪魔だったのだとわかった瞬間でもありました。

すると、さらに翌日、びっくりな事が…

夫が『俺に内緒で13000円送っておいて』と。

俺に内緒⁉︎ どういうこと⁉︎

やっぱり息子のこと応援してやりたいと思ってるよね!と思った瞬間、全く違う思いを感じたのです。

これは私に対してのことなのだと。

夫は私が母として息子に絶対してやりたいに違いない、と容易に想像は出来ていたのだと思います。

それがこんな形で『お前はきっとしてやりたいに違いないから…』と受け入れてくれた事を伝えてくれたのだと初めて夫の思いをキャッチ出来ました。

今まで思う様になんてならなかったことで、わかってもらえていない!と、思い込んできたのです。

【受け入れて欲しい】しかない。それは夫もまた同じく…

ずっと講師から【幼稚】。

どこにミロスが在るの?と言われてきた所以でした。

両親の姿そのものだった私

そして、目の前の夫という鏡に映る受け入れたく無い自分を受け入れよう、受け入れた!と、思っても変わらなかった体験も沢山してきました。

ところが今回、そんな事すら思わなくても、夫の言葉が私の分からない私が思っている事として聞けたのです。

その言葉は息子を突き放すものであっても、今まで知ることの出来なかった自分が夫を通してシステムとして完全なものであり、そこに【安心】を感じられる体験をさせてもらえたのです。

そしてこれが自分を愛するというのかと思いました。

私をわかって欲しいと夫にアタックし続け、心折れての何十年の歴史が終わった‼︎と思いました。

夫にわかってもらうのではなかったのだと。

常に【どうやったら上手くのだろう?】と試行錯誤してきました。

そして、どうにもならないどころか、より苦しさを増す体験のループ。

それこそが私が観ていた両親の姿そのものだった。

私はこの両親を観て、嫌い、変えたいと思って頑張ってきました。
ところが、紆余曲折を経て、今 二人の息子達はこの無茶苦茶だった私達夫婦の子供で良かったと言ってくれる。

次男の友達達は我が家の親子の会話を聞いて、羨ましがっていると、次男が嬉しそうに話してくれる。

そして、それが私の内側の変化だと知れるミロスの仕組みに感謝が湧く。

ミロスに出会った頃、どれほど周りの人達を羨ましいと思ったか分からない。
それ程、我が家は崩壊していました。

それが今、幸せだと思える毎日、軽やかになっていく自分を生きられている事に感謝しかありません。

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