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若い頃の父親の恋の話を、聞くことはあまりないかも知れません。今回の彼女は、若い頃の父のまっすぐな思いを自分の中に感じた時、父に対する偏った思い込みが外れ、父のエピソードに彼女の心も癒されました。そしてその先に、手放せなかった辛い過去の感情からも解放されたのです。

溝口 智子さん 40代 女性【愛知県】

先日、父と車で片道2時間の道のりを2人で過ごした時のことです。

父は元々無口で話題もあまり豊富ではありません。突然デリカシーのない話をする父と2人きりというのは正直居心地が悪く、気まずさも感じていました。

頼りない・身勝手な父親

というのも、子供の頃の父は、私が母にひどく叱られている時はオロオロするだけ…。また都合が悪くなると自分の楽しいことにパッと出ていってしまい、私と母は置いてけぼりにされました。

私が離婚する際、元夫から「女が出来たから離婚したい」と打ち明けられた時も、父は一度も怒ることなく「あー、そう…」と、たったその一言しか言ってくれませんでした。

私は「何故ダンナに怒ってくれないの?私が人生で一番苦しんでいるのに。やっぱりお父さんは私を守ってはくれないんだ!」と絶望したのでした。

父には頼りなさと身勝手さを感じて生きていました。

車内で、私は子供のことや仕事の話しながら、そんな父を何となくはぐらかしていましたが、突然、父は若い頃の話を始めたのです。

父の恋の話

高校卒業間際まで就職が決まらなかった父は、やりたい事も見つからず先生たちのおかげでやっと就職できたこと。
就職した測量会社でマムシのいるような山奥で仕事をし、スズメバチの巣に落ちたり、過酷な仕事をしてきたこと。
そしてその会社で出会った女性と恋をしたこと。

私は意外な話に驚き戸惑いました。真面目で人付き合いも少ない父がまさか恋の話をするなんて…しかも娘の私にです。相手が母ではないことに少し複雑な思いを感じながら聞いていました。

幸せにしてあげたかった…

その女性は離婚歴のある人でした。最初の頃は楽しくお付き合いしていたそうですが、次第に苦しいものになってしまい、彼女に何か言おうとしても何も言えなくなってしまったそうです。

それは「全てを叶えてやりたかった」からでした。

結婚に失敗した彼女を幸せにしてあげたかった。でも当時の父にはお金がなくて、仕事も半人前…。自分には何もない、何もしてあげられない。全く自信が持てなくなり、何も言えなくなって彼女を泣かせてしまった。

挙句、仕事も手につかなくなって、田舎に帰ることになり、最後に「ごめん」の一言も言えずそれきりに…今でも申し訳ないと思っている。

そう話してくれました。私は涙が止まりませんでした。

父への思い込みが外れた瞬間

仕事ばかりで無口な父のことを私は無関心で頼りなく、薄情だと思っていました。

父は何もしてくれない。
私は父に受け入れられていない。
私に対しての思いは何も無いとさえ思っていたのです。

しかし、「全てを叶えてやりたかった」この言葉を聞いた瞬間、ずっと「何も無い」と思っていた私の男性性が「全てある」に変わったのを感じました。

父の愛情を感じられる

思い返してみれば子供の頃、夏休みの宿題がうまくいかなくて困っていた時、父は私がなんとかできるように一生懸命手を尽くしてくれました。

離婚して仕事が忙しくなった私のかわりに2人の子供たちに寄り添い、いろんなところへ遊びに連れて行ってくれました。他にもまだまだたくさんある…!

父は私の思いを全力で叶えてくれていました。ずっと「無い」ところから観ていたからわからなかった。ずっと全てあったんだ!

そして全てを叶えようとして言葉に詰まってしまうのは、私も同じでした。目の前に困った人がいても、何とかしてあげたいのに私は何もしてあげられないと思っていたから言葉が見つからず何も言えなかった。私自身の事も「無い」ところから自分を観ていたのでした。

自分の“男性性”が父親・元夫に映っていた

今回、思い掛けず父の初恋話が聞けました。

ミロスのシステムを学んでいたから、父を私の男性性として観ることができました。だから父の話をちゃんと聞けたのだと思います。

そしてもう一人、私の男性性を見せてくれた人がいました。

私の元夫です。彼は女性を作り、私と子供たちを裏切り出ていきました。実は相手の女性にも家庭があり、当時のご主人からの暴力、家庭内別居という幸せとは程遠い状況でした。

ルールこそ外れたけれど、彼はその女性をただ幸せにしてあげたかった。「全てを叶えあげたかった」のだと…。

父の思いと同じものを感じました。まさか私を裏切った元夫の姿が私の男性性だったなんて!

元夫への憎しみや悲しみが消えた!

心の底からの驚きとなんとも言えない温かさで満たされるのを感じました。元夫が私の男性性だと感じた瞬間、今まで手放せずにいた“憎しみや悲しみ”という感情を全く感じていない事にも驚きました。むしろその姿を見せてくれたことに感謝を感じたほどです。

このように思いがけない気づきで、辛かった過去が、真逆の満たされた思いに変わってしまいました。どこまで行っても愛を感じずにはいられない…。感謝でいっぱいです。

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