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(I・Aさん 50代女性 神奈川県在住)

私を否定し続けていた娘からの感謝の手紙。
娘と自分の気持ちが重なり、自分と母の気持ちが重なりました。
母に初めて感謝できたことで、娘とのバトルの日々は終焉。
社会人になった娘から、給料日ごとに素敵なプレゼントが届いています。


『娘から届いた手紙』

子どものころから些細な事で文句ばかり言ってくる娘。
その一つ一つが私にとってはどうでもいい事ばかりで、何でそんなに怒るのかさっぱり理由がわかりませんでした。

「味噌汁の葱 何で私のだけこんなに多いの?」
「お父さんのシャツはきれいに干してあるのに 何で私のはいい加減なの?」
「いつも弟ばっかりかわいがって」

事あるごとに何で?何で?と怒っていた娘は、成長すると私に向かって暴言を吐き捨てるようになります。
私はそんな娘を恐れ、常に気を遣いビクビクしていました。
ちょっとした勘違いや、忘れていただけのことも、私の言い分は全く聞き入れられず、毎回母の私が娘から怒られる。
そのたびに自分を惨めに思い
「こんな母親じゃだめだ、自分はいない方がいいんだ」
と嘆いていました。
時にはトイレや風呂場までやってきて
「お母さんはいつも言い訳ばかり」
「私はお母さんにずっと嫌がらせをされてきた どうしてくれるの?」
と私を責め続ける娘。
怒鳴る彼女を前に三つ指をつき謝った事もありました。

そんな娘が、この4月から社会人として働き始めました。
娘が就職してまもなく、ミロスの講演会を終え帰宅すると、娘からの手紙が置いてありました。
親に文章で感謝を伝えるという会社の新人研修で書いた手紙でした。

『お母さんへ
会社で「親に感謝の気持ちを込めて手紙を書いて下さい」と言われてこの手紙を書いています。
でも決め付けられて書くのは正直なにを書けば良いのか分からないので、私が思っている事を書きます。

私は小さい時から自分と弟と比べてきました。
大人になった今でも正直比べてしまいます。
お母さんは弟の方が好きなんだろうとか、弟の方が良い子なんだろうとか…。
だけど小さい時の写真を私が見ている時
「可愛かったよ」
と母に言ってもらえるのは本当に嬉しかった。

私はお母さんに感謝しているよ。
でも後のことを考えずにキツイことを言ったり変な行動をとってしまいます。
いつもあんなこと言わなきゃ良かった、しなきゃよかった、と後悔している。
振り袖の写真を切ってしまったこと、本当にごめんなさい。

お母さんに小学校の修学旅行でもらった手紙を、私は今もとってあるよ!
まわりの子の手紙は6枚とかで、私のはたったの2枚で、少ないのが恥ずかしかったけど、読んだら嬉しくて泣きました。
私は今も時々その手紙を読んでいるよ。

親はすごいなって思います。
特に私のようなメチャクチャな子を育て上げたお母さんとお父さんはすごいです。

普通の子が言わないようなひどいことも私は言っている方だと思います。
弟と比較してしまうけど、私は他の子と自分も比較してしまいます。
母の日にサプライズでパーティーをしたり、誕生日に親から毎年高いものをプレゼントされたり。
うちにはそういう習慣のようなものはないから、比べてしまっていました。
でも今はその方が自由で良いなって思うよ。

「お母さんのような大人にはなりたくない」と言ったことがあります。
でもお母さんは強いです。
お母さんは感情表現が上手くないけど、私や弟に何かあると、口に出さなくても心配してくれます。
仕事して忙しいのに、毎日ごはんを作ってくれて洗濯もしてくれます。
本当にありがとうね。

私はお母さんのことが大好きです。
平気なフリをしているけど、きっと弟より親に対する依存心は強いと思います。
ごめんね。
でもこれからもよろしくお願いします。』

「お父さんもお母さんもいらない!」と言い放った娘が、本当は私と主人のことを大好きだったのだと、手紙を読んで感じることができました。
そして、それは私自身の気持ちでもありました。

私も、自分の母の事が嫌いだと思い込んでいました。
小学生の頃
「友達のお母さんはいいなぁ~若くてきれいだし優しそうで」
といつも羨ましく思っていました。
愚痴一つ言わず、頑張って働いている母の姿を嫌っていました。

娘の手紙を読み、娘の気持ちが自分の気持ちと重なり、同時に自分の気持ちと母の気持ちが重なりました。
母がどんな思いで生きてきたのかを初めて感じることができ、頑張ってきた母がいたからこそ今の私がいるのだと思えて、涙が溢れました。
親が子どもを育てるのは当り前だと思っていた私。
親に感謝の気持ちなどなかったことに娘の手紙を通して気付かされ、心の中で母に謝りました。

「お母さんの事が大好き」
それは私の素直な気持ちでした。
「子どもは親を助ける為に生まれてきた」という講師の言葉を思い出し、親と子が繋がっていることをあらためて感じました。

実家に帰り、母にこの手紙を読んでもらいました。
母が一言
「ありがとう。立派に育ったね」
と言ってくれました。
私も自然に
「育ててくれてありがとう」
と伝えていました。

理想を求めるがゆえに母を嫌っていました。
でも今は、いつも私が帰る時に両手を合わせて
「ありがとう」
と言ってくれる母が、本当に愛しく思えます。

娘から初給料日にケーキ、母の日にはCDのプレゼントがありました。
2回目の給料日には2万円のお小遣いをもらいました。
本当に嬉しかったです。
娘とバトルを繰り返していた日々が、今となってはもう笑い話です。
これからは日々の生活を丁寧に生きていきます。

ミロスに出合えたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。

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