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今や人口の4人に1人が “高齢者” となった日本。その高齢者を狙う詐欺などの犯罪は増え続け、今や大きな社会問題にもなっている。一方、以前から問題が山積みだといわれている介護の業界は、国をあげて人材の育成や法改正をしたものの、介護する側の高齢化が進み、また過酷な環境は年齢に関係なく介護者の心と体に大きな負担を与えており、こちらももはやお手上げ状態だ。

鈴木優子講師は、父親が難病になったことをきっかけに福祉を学び、介護のプロとして15年以上、現場に携わっている。介護の仕事を天職だと思ってスタートしたそんな彼女でさえ、いざ自分の両親の介護となると、不平不満が吹き出し、終わりの見えない現実に思い悩んだことがあるという。不安、怒り、そして奪われた自由…「いつまで続くのか先が見えない!」「なぜ、自分だけがこんなに大変な思いをしなくてはいけないの?」そんな、誰にも答えを出せない問いかけに、MIROSSは思いもよらない“答え”を示してくれたというのだ。そこにはいったいどんな秘密が隠されていたのだろう。

未知なる世界に飛び込んで

高校卒業と同時に大手企業に就職し、親元を離れて自由奔放に生きてきた鈴木優子講師。しかし、父親が難病になったことをきっかけに、福祉の勉強を始めることになったという。

今でこそ、こうして介護の業界のプロとして働いていますけど、きっかけは本当に些細なことでした。20代前半、企業の枠を飛び出して自由にのびのびと興味のあることにチャレンジしながら“本当にやりたいこと”を探していたのです。その中で、何か資格でもとろうかな?と思ったとき、それまで考えたこともない福祉の世界にふと目が向きました。

実はその頃、父が難病を患い、将来に大きな不安を抱えていたのです。当時は、まだ何か特別な手伝いが必要な状態ではありませんでしたが、実家に戻るたび徐々に身体の自由が失われていく父に対して、何もできない自分を心のどこかで申し訳なく感じていたのでしょう。実家には母も姉、兄も側にいますし、特に心配はない…でも、何かの役に立つだろうと始めた福祉の勉強。その実習で初めて実際に障害を持つ人々に触れ、大きな衝撃を受けました。私が知らない世界、こんなところで、こんな思いをして、それでも彼らは確かに活き活きと命を輝かせている。可愛そうだと思い込んでいた世界の人々が実は、私たち健常者の枠に苦しめられていた…。私はなんという思い込みの世界で暮らしていたのかと大きなカルチャーショックを受けてしまいました。その瞬間「この人たちの力になりたい!やっと見つけた!」という感覚が全身に走り、私は福祉の仕事が天職だと感じるようになったのです。

それからの私は、全力で福祉の仕事に取り組みました。力になりたいと勢いよく飛び込んだ世界。もちろん楽しいこともたくさんあったけれど、どうにもならない国の制度と現実とのギャップ、体力勝負の毎日は思い通りにならないことばかりで、体も心もクタクタに疲れていました。ふと気がつくと障害者の支援に夢中になっているうちに、親元を離れて10年の月日が流れていたのです。「あぁ今、私は私らしく生きているのだろうか…」そんなつぶやきが頭の中を通り過ぎたとき、実家から父の病気が悪化しているという知らせが入りました。

私は静岡の実家に一度戻る決心をし、祖母の家で暮らしながら、父の介護をする母の手伝いをすることになりました。静岡では、認知高齢者の仕事にご縁ができ、今までの経験を生かしつつ、今度は介護の資格を取り始めました。介護福祉士、ケアマネージャー、認知症ケア専門士…次々と資格を取得して頑張る私に会社の期待も高まります。努力をすれば認められ、周りの評価も大きくなる、そして次々と高いハードルを期待され…結局私は、ここでも、やっても、やっても満足できない、以前と同じゴールの見えない悶々とした生活を送るハメになってしまったのです。

あの子が変わった!

答えの見えない毎日。それは職場を変えても同じだった。そんな彼女の目を釘付けにしたのはミロスを手にしたある一人の友人の変容ぶりだったという。

天職のはずなのに、一生懸命やっているのに、なぜか満足できない毎日でした。介護の現場は本当に問題が山積み状態で、次々と処理しなくてはいけないことが出てきます。頭の中は時間との闘い、そしていつ何が起こるがわからない高齢者介護は緊張の連続でした。

私は人一倍責任感が強いほうだと思います。利用者が「ありがとう」と言ってくれる、その嬉しそうな一言に支えられ、目の前に助けを求めている人がいると、自分のことは後回しにしてでもできる限りのことをしてしまうのです。

それなのに、一生懸命介護してきた利用者が食事中の事故で突然亡くなり、家族から介護者のミスではないかと訴えられたことがありました。こんなに一生懸命やってきたのに!少しでも喜んでもらいたいと必死で貢献してきたのに!悔しさを飲み込んで、ご家族のやり場のない怒りを受け取る私。やりきれない思いでいっぱいでした。

そして、自宅に戻ると今度は「あんたは介護のプロなんだから」となんでも私に降りかかります。姉が両親と住んでいましたし、兄も近くにいる、なのになぜ?親のことは心配ないだろうと思っていたのに全面的に頼られ父の介護をしなければいけなくなった私は、急に何もかも自由が奪われたような気がして家族に対する不満が大きくなっていきました。

真面目に頑張って生きてきて、何も悪いことはしていないのに、なぜこんなに苦労ばかりが続くんだろう。

そんな時、私は友人が妙に最近、機嫌が良く活き活きしているその姿が気になりました。

「ねぇ、何があったの?」と聞いてみるとミロスに出合って人生が楽しくなったというのです。「そんなバカな!!」と言いながら、それでも彼女の楽しそうな姿が気になって仕方がない。素直に教えて!と言えない私は「しょうがないから私が確かめてあげる」という言い訳と一緒にセミナーに出かけていきました。会場の一番後ろで、腕と足を組んで…私のセミナーには絶対に来てほしくないタイプの(笑)本当に失礼な態度で聞いていました。でも、あっという間に前のめりになったのです。長所と短所が同じ大きさ…から始まって、聞けば聞くほどなぜかワクワクする!今まで学んできたこととは全く違う話。誰も教えてくれなかった “この世の仕組み”や“目の前の事象には根源がある”という話は、介護をしている人と介護をされている人を同時に救うことができると確信しました。

その日から、私はミロスに夢中になりました。なぜなら、聞いたことを今の自分の状況にあてはめるだけで、どんどん見ている世界が変わっていったからです。山積みだった仕事がどんどん終わる。気づいたら終わっているんです。仕事も人間関係も楽になり、あれよ、あれよという間に、勝手に職場のチームワークが整っていったのです。

自分の周りも私の変化に気づいていました。仕事が片付くだけじゃない、利用者さんも驚くほど元気になり、極めつけは「笑わない鈴木さんが笑っている!」って(笑)。

突然の出来事で開いた扉

ミラクルが続いた彼女は、とにかくミロスのすごさを周りの人にも伝えていたという。そんな時、会社のオーナーから電話があり「会社に来てほしい」と呼び出された。オーナーにも社長にも認められていた彼女は次の事業展開の話だなと思い意気揚々と会社へ向かったのだ。

会議室に入ると、いつもと違う空気でした。何があったのかと尋ねると、ミロスのことを周囲に薦めていることに関して指摘を受け、それから「ミロスと仕事のどっちをとるのか?」と聞かれたのです。私は突然の投げかけに驚きつつも、迷わずミロスと答えました。後悔は全くありません。それなのに会社を出ると得体の知れないものが身体の奥底からこみ上げて来ます。

自分で選んだ道なのに、いざ解雇となると、今までのいろいろな想いが頭を駆け巡り、悲しくて、悔しくて、何をしていても涙があふれるのです。こんなに頑張ってここまでやってきたのに、こんなにミロスで環境が良くなったのに、こんなに…。誰にも分ってもらえない気持ちは涙となって何日もあふれ続けました。それまで私が守ってきた会社への信頼や社会的名誉、肩書き、良かれと思ってきたすべてのことを失う形となった自分に、本当にこれでよかったのかと問いかける毎日。

このとき私はまだ、ミロスを“悩み解決の良いことが起きるご利益的なもの”だと心のどこかで思っていたのです。そんな溜まりに溜まった感情を出し切ったとき、私は初めてミロスと本気で向き合うスタートラインに立てたような気がしました。

今思えば、すべて予定どおりパーフェクトな展開です。そうか、ミロスを選んだんだからもっとミロスを説明できるようになろう。分かったような分からないことを全部、理解しよう!と、まるで昨日とは別人の私がいました。そして私は、なぜこんな人生だったのか、初めて自分の根源をミロスのシステムで紐解き始めたのです。それはゆっくりと記憶のフィルムを巻き戻し、時には絶対見たくない心の奥にしまい込んだ感情との再会でもありました。なぜ、私はこんなにも一生懸命頑張るのか?どうしてうまくいかないのか?どこから来て、どこへ行くのだろう…。

ミロスはたとえどんな人生であっても“システム”によって根源を解き明かすことができる実践方法です。私はこれまでの人生を紐解くたびに、眠っていた本当の私の細胞に一つ、またひとつとスイッチが入っていくのを感じていました。

幼い頃に封印した心の叫び

1974年春、静岡県沼津市。3歳上の姉と2歳上の兄、3人兄弟の末っ子として生まれた彼女は「3人目だから陣痛がきて30分でポコっと産まれたの。3800gもあったのに安産でその後も手のかからない子だったのよ」と良く母親から聞かされていたという。

父の実家は、米屋を営んでいて伯父と一緒に父は正月も休みなく忙しく働いていました。無口で辛抱強く、どんなことにも文句を言わない父。ときおり話す冗談が、あまりにくだらな過ぎて笑ってしまうと嬉しそうに照れ笑いをする。私はそんな父を見ている瞬間がとても嬉しかったのを覚えています。優しくて特に末っ子の私の言うことは何でも聞いてくれました。

母親は、明るくて社交的。誰とでも友達になるバイタリティ溢れる元気そのものの人。声も大きくて、良く笑い、良く喋る、そんな母がちょっと恥ずかしいと思ったこともありました。母は親戚とバイク屋を経営していたため、どこか男勝りな頼りになる雰囲気がありました。

両親が共働きだったので、私はいつも姉や兄の後をついていき、近所の友達の家に遊びに行くのです。近所にはたくさんの子どもがいたので、自然と自立し、いつもにぎやか。お陰さまで寂しい思いをしたことはありませんでした。

私は、みんなに大切にされて、とても幸せな人生を歩んできた、なんの問題もないはず…ミロスを知るまで、そう思い込んでいたのです。ところが、ミロスのシステムで人生を紐解いてみると、そうしなくては生きてこられなかった本当の私の姿を知ったのです。うまくいかない根源は幼い時に心の奥にしまい込んだ“心の叫び”にありました。

母親は、やんちゃな兄が学校で問題を起こしては呼び出され、姉の進路を心配し、いつも気を揉んでいました。本当は、そんな兄や姉が羨ましかったはずです。しかし、母の苦労を見て育った私は、親に迷惑をかけない手のかからない子を演じていたのです。私ってしっかりしているでしょ?と無意識に親に褒めてもらえる生き方を選んで強がっていたのです。本当は一番甘えたかった末っ子の私が、一番のしっかり者を演じて見せる。まさか演じていたなんて知る由もありません。自立したフリ、寂しくないフリ、楽しいフリ、責任感があるフリ…。全ては「こっちを向いて!私を愛して!」と言葉にできなかった“心の叫び”が根源でした。誰かの役に立ちたかったのも、どんな仕事でも頑張ってきたのも、父の介護を全面的に引き受けたのも、全ては「私を認めて」というエネルギーが裏側にあったと知り、本当に驚きました。

講師からのメッセージ…「優子」という名前に託されたこと

私はミロスに出合い、幼い頃に封印した“心の叫び”をこれまでの人生で、人を変え、場面を変えて表現していたのだと知りました。しかし、すべてに強がって頑張って生きるしかなかった今までの生き方にピリオドを打つ方法がここにあったのです。

本当に強がって生きていました。私の名前は“優しい子”と書いて優子といいます。この名前は母が、もし女の子が生まれたら絶対につけたいと思っていた思い入れのある名前だそうです。でも私はこの漢字の説明が本当にいやでした。優しい子?私が?と自分の優しさを認めたことなんてなかったと思います。

システムを知らずにいた私は、自分の中にある父や母、祖父母から受け継いだ優しさという遺伝子も、母の無償の愛すらも受け取ることができず、兄や姉ばかり見ている母を心のどこかで恨んでいました。母に気を遣ってもらえる姉とも喧嘩ばかりしていたのです。すべてはその裏側にあったエネルギーを知らずに生きていたからです。目の前の事象は、それを見ている自分との関係性でできています。うまくいかないことには、うまくいかないメカニズムがあったのです。介護の現場も、家族の問題も、あの時封印した“心の叫び”が根源でした。

以前の私は、“誰かに認めてもらうために介護をやっていた”と思います。ミロスでその根源を知った時、私の身体の内側から温かい思いが湧き上がってくるのを感じました。誰にでもある“優しさ”駆け引きなしの心の底から湧き上がるその優しさを受け取れたとき、介護に対する思いも、見ている世界も一変しました。気がつくと、あれほど喧嘩ばかりしていた母や姉とも、子どもの頃のように仲良く笑いあえるようになっていたのです。

ミロスは誰にでも使えるシステムです。人にはそれぞれ生まれて来た意味があり、役割があると思います。そして、その意味を知らずにがむしゃらに生きるのと、生まれた意味を知って生きるのとではまったく意味が違うと思いませんか?

私は介護の世界を通して自分の中の“本当の優しさ”と出逢うことができました。私の名前は「優子」。私は“本当の優しさ”を知るために生まれて来たのだと思います。そして、ミロスのシステムがあれば、あなたの中にも必ずある“本当の優しさ”に必ず出逢うことができるよ、と伝えるために生まれて来たのだと思います。

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