あなたがいつも何気なく目にしている夫には、一体何が映っていると思いますか?そして、彼女が夫を通して見たものは・・・。誕生日という特別な日に彼女に起こった体験とは・・・?
Nさん 30代 女性【山口県】
自分が本当に望んでいる事とは?
夫が出張で沖縄へ行くことになり、観光を兼ねて私も同行した時の出来事です。
私の誕生日が近かったので、夫は沖縄でお祝いを計画してくれていました。
誕生日当日はホテルのスイートルームを予約してくれ、日中はプールやいろんな施設を満喫し、ディナーはホテル内の素敵なレストランで食事をすることになりました。
「一番いい席を予約したからね」
ときれいな海と夕日が見えるテラス席に二人で座り、
「何でも好きなものを頼んでいいからね。」
と優しく言ってくれる夫に、うれしい気持ちはもちろんあったのですが、私が本当に夫に望んでいるのはこういうことではなかったのです。夫とふたりでミロスの実践をしたり、私の言うことを受け取ってくれたりすることだったのです。
せっかくのお祝いの席で、喜んではいるものの何か言いたげな顔をしている私の態度に、夫も察したのか、何となくまずい雰囲気になると、とうとう口論になってしまいました。
夫に対する不満
私の中から出てくるのは、夫に対する不満ばかり。夫に映るやる気のなさや、できないという諦め、魂が抜け落ちたような、廃人のような生きる気のない姿でした。
そして最後には、
「一緒に実践してくれないなら一人では無理。それだったらもう生きてる意味がない。もう死にたい」
という言葉が口をついて出てきて、自分でも驚きました。
えっ!? 死にたい?
険悪な雰囲気のまま部屋に戻った私は、ひとりバルコニーで風に当たりながら、自分の気持ちやレストランでの出来事、そして、沸き上がる怒りや悲しみ、絶望や孤独。このまま死んでしまいたいほどの思いや、私一人ではできない、怖い、無理だという依存心と強烈な諦めと、ひとしきり自分のネガティブな感情を感じ続けました。
夫に映っていたのは諦めきった自分の姿
そして、ようやく受け取ることができたのです。
「そうか!夫に映っていたのは、私の諦めきった姿だった!」
霧が晴れるような爽快感と驚きと共に、夫をまぎれもない自分の姿として丸ごと受け取ることができました。
夫と出会って以来、夫に対して思い続けた「立ち上がれ」という思いは、まさに私が私に対して言いたいことでした。ミロスシステムで、夫を通して初めて自分の無意識を知り、夫のおかげで自分に対する抵抗感を見ることができたのです。
力強い自分が誕生
こんなにも大きな恐怖、諦めがあったのかと驚きながら、「私にはできない」という弱気な声を受け取ると、それでもやるしかない、やれるんだ、やりたい!という力強い意志が同時に沸き上がってきたのです。
時間がどのくらいたったのか…その頃には空が明るくなっていました。
こうして誕生日は、最も受け取れなかった夫をやっと丸ごと受け取ることができ、本来の私が誕生した、特別な日だったんだなと思います。
それまでの私は、ミロスの実践をしよう!と力が入り、実践することが正しいと正しさに偏り、私というプラスの傾きがつくり出したマイナスの世界に嘆いていただけでした。
全ては私が犯人だったとようやく理解することができ、夫にも謝ることができました。
夫が別人に変容
夫に見ていた抵抗感というフィルターが外れると、相手の素晴らしいところが見えてきたのです。
この体験以降、目の前の夫の立ち上がりが凄いです。力強く表現するようになっただけでなく、自ら楽しんで実践し私にも表現してくれるようになり、これまで意志力が弱くて女性的であった夫が別人のように変容した姿を目撃させてもらっています。
彼女の受け取りが、夫にどんな影響を与えたのか?夫の立場からご紹介します。
【後編】へつづく