親子間の関係は一旦こじれるとなかなか修復が難しく、悩んでいる人も多いでしょう。今回は、子供との悩みを抱えた母親が自分の子供時代に感じた姉との関係性を紐解くことで、その解決の糸口が見えてきたという体験です!彼女がラストシーンで見たものとは?
町田 恵子さん 50代 女性【広島県】
長男と10年以上 会話がない
私には、単身赴任中の夫と三人の息子がいます。次男と三男は一人暮らしをしているので、自宅は24歳になる長男と私の二人で生活をしています。ところが、私と長男はここ10年以上もの間、まともに口をきいてません。
そのキッカケとなった出来事があります。
暴力がトラウマに
長男が中学生の頃、ひょんなことから私が彼を怒らせ、腹を立てた長男が私に暴力を振るったことがトラウマとなり、それからは、「長男は怒らせたら“怖い”」という思い込みの目で彼を見るようになってしまったのです。
そんな私の長男に対する苦手意識が、歩み寄る機会を奪い、いつしか蓋をして見ないようにしていたのでした。
なので、長男が野球の特待生として大学進学が決まったときも、一緒に喜んであげるどころか、一人暮らしがしたいという長男に同意して、半ば私が家から長男を追い出したような気持ちになっていました。
息子と向き合うのが怖い
ところが、1年経った頃、新しい環境に慣れずにみるみる痩せていく長男は、やむなく自宅に戻ることになりました。
長男を家から追い出したと思い込んでいた私は「私のせいで、辛い思いをさせてしまった」という罪悪感と、長男と向き合うことへの恐怖心から、長男が家に戻ってくることを素直に喜べないでいました。
自立を良しとした子育ての原因
去年の5月から9月にかけて受講した、柳沢かおり講師のLifeコースで、そんな私の“蓋”を講師に見つけられたことで、長男と向き合う覚悟を決めました。
そして「自立する事が良い!」と思い込んで子育てをしてきたことにも気づかせていただきました。
ミロスシステムで人生を紐解くことで、私が自立に傾いた背景には、私と姉との関係性が影響していたことがハッキリわかりました。
姉と比較・競争をしてきた
子供の頃から姉とは常に「比較・競争」で戦い続けていたのです。
姉に勝ちたい!
姉より母に褒められたい!
姉より良い子育てをする!!
自分では全く無自覚でした。母に認められたい、姉に負けたくないという思いが、“自立を良し”とした生き方を選んでいたことを理解しました。
長男との距離は、自分との距離感だった
そして、さらなるシステムの理解で、私が今まで、自分の内側の男性性とのコミュニケーションを避けてきたこともわかりました。
長男との距離感は、無意識での自分との距離感だったのです。私の内面意識が現象として外側に映り、長男をはじめ、家族が私に見せてくれていたのだと知ったのです。
今回、Lifeコースを受講して、ミロスシステムで紐解くことで、長男にある思いが湧いてきました。
「死にたい」と言っていた長男
それは、長男が中学生の頃、よく「死にたい」と言っていたことを思い出し、その当時の長男の思いに触れることができたのです。長男も私と同じように、兄弟で戦って頑張ってきたのだと受け取れると、
「今まで元気に生きていてくれてありがとう。嬉しい!」と涙が溢れてきたのです。
この気持ちをやっとの思いで長男に伝えると、「ニコッ」と笑って答えてくれました。
長男の優しさを思い出す
こうして長男への“怖い”という思い込みが外れていくと、次々と長男の優しさを感じるエピソードが思い出されていくのです。
それは、去年の6月初めのことでした。
我が家のベランダで、羽化したばかりの蝶々が、羽の一部がうまく広がっていなくて飛べないみたいで、ヨロヨロしてました。
すると、長男が砂糖水をそっと近くに置いてやると、蝶々はそれを吸い、飛び立って行きました!風に乗りながら、羽ばたいて行ったのです!
「そうそう!この子はこういう優しい子なのよ!」と思い出したのです。
愛を感じるエピソードに
そしてその数日後には、長男が小学生の頃に私の誕生日にプレゼントしてくれたアジサイが、なんと12年ぶりに咲いたのです!
そのアジサイの姿は、私が長年蓋をして触れないようにしていた長男との記憶を呼び覚まし、本来の長男の姿を取り戻したことを見せてくれた“証”のようでした。
こうして、長男との関係性を紐解き、全容が理解できたことで、偏った見方や思い込みは外れ、長男の想いや自分の本当の想いがわかると、過去の一つ一つのエピソードが愛を感じられるものに変わってしまったのです。