大好きなお祖父ちゃんが病気になったのに、会いにいくことができなかった…。自分の身勝手な思いはいつも男性を悲しませてしまう。知らない間に、父にも夫にも罪悪感を感じていました。けれど娘の姿を通して自分を知った時、そんな罪悪感を心から解放できたのです。
寺本 昌子さん 40代 女性【島根県】
現在、私は看護師の仕事をしています。もうすぐ第二子、男の子が(第一子は女の子)産まれるので産休をいただいています。
お医者さんからは「なるべく安静に」とのことで、娘を実家の両親に預けてばかり。
実家から家に連れて帰ると、
「じーじのところに帰るっ」
と泣きわめき、その姿を見て主人が怒りを顕にしていました。主人の怒りに恐怖を感じ、この恐怖の根源を知りたくて、私はカウンセリングを受けました。
じーじと娘は、大の仲良しです!
その姿は、幼少期の私とお祖父ちゃんと全く同じであることが、今回分かったのです。
大好きだった祖父が病気に
私の両親は共働きだったため、小さい頃からお祖父ちゃんに預けられていました。
今の娘と私は全く同じ状況です。私はなんでも言うことを聞いてくれるお祖父ちゃんのことが大好きでした。お祖父ちゃんが、わがまま放題させてくれたおかげで、小学校時代は友達と仲良くなれず、いじめられたことも多々ありました。
ですので、中学に上がるまでは、友達よりお祖父ちゃんベッタリで育ちました。中学校で友達ができ、ようやくお祖父ちゃんから自立できたころ、お祖父ちゃんは大腸ガンになり、突然入院しました。
「おじいちゃんもう治らんけ、(病院から家に)帰ってこんで。」
そんな言葉を父から聞き、大好きなお祖父ちゃんとの別れに、心の底から恐怖し泣きました。慌てて会いに行ったものの、お祖父ちゃんは食欲不振で痩せて、腰痛で歩けず、弱り切っており、私を可愛がってくれたあの頃のお祖父ちゃんではありませんでした。
弱っていく姿を見ることができなかった
大好きなお祖父ちゃんが、痩せ細り、弱っていく姿を見ることができず、行こうと思えばお祖父ちゃんの病院に行けたのですが、私は頑なに病院へ行くことを拒みました。
「お祖父ちゃん、お前のこと待っとるで。」
「お祖父ちゃん、看護師さんに優しくしてもらって、嬉しそうにしとったで。」
お祖父ちゃんの病院での様子を父から聞き、心を動かされながらも、とうとう最期までお祖父ちゃんに会いに行くことは出来ませんでした。
カウンセリングで、私はあの日から、これほど後悔をしていたことを知り、ビックリでした!!
いつも男性を悲しませてしまう…
その後、私が知らず知らずのうちに看護師という職業を選んだのも、言うまでもなく、お祖父ちゃんにしてあげられなかったことを穴埋めするためだったのでした。現に、老人の介護施設で看護師として働いていますが、時々、時間があればお庭や外へ散歩にお連れしていました。
父は最近になり、入れ歯になったり、肝臓に影が見つかったと言われたり、年々年老いてきたと感じ、私の中に“父を亡くす恐怖”があることにも気づきました。
そして、そんな父に娘を預けておけば、父はいつまでも長生きしてくれるに違いない、と思いこんでいました。お祖父ちゃんとの別れの罪悪感が、私にそんな思い込みまでさせていたのです。
そして、預ければ預けるほど“じーじ”(父)に懐いていく娘を見て、主人に対しても申し訳ないという罪悪感があったことにも気づけました。どこまで行っても、身勝手な自分の思いは男性を悲しませてしまう…これが私の人生で培われてきた間違った思い込みでした。
罪悪感が消える
私がお祖父ちゃんの死に向かう姿を見たくなかったのと同じで、お祖父ちゃんも、可愛い孫娘に自分が痩せ衰えた姿を見せ、ベッドの側で泣かれてしまうことに、きっと心の底から胸を痛めたことでしょう。
「あの時、病院に行けなかったこともあれで良かったんだ!」
「お祖父ちゃんが大好きだから、お別れが悲しくて行けなかったんだ!」
…と分かり、人生の謎が解け、心から解放されました。
これで心置きなく男の子を産むことができます!男性に対する、間違った思い込みが作った“負の連鎖”を断ち切ることができました。
これから、出産の為に入院をしますが、実家の両親に娘を預けることに罪悪感がスッカリ消え、主人に対する罪悪感も消えています。
今まで預けることに対して、主人に相談出来ず、躊躇していたことがウソのようです。休みの日に主人に娘を預け、セミナーに行くことに対しても後ろめたさがあったのですが、親子で楽しく遊んでいる姿に、「本当にこれで良かった」と、心から思えています。
柳沢かおり講師、丁寧に紐解いて下さりありがとうございます。